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梶村和花・ベンチャーの心得

非論理的アプローチの重要性と事例

ビジネスの立ち上げや新規事業において成功を収めるために必要な要素について、従来の常識や論理に従うだけでは不十分であると私は考えています。

特に大企業と比較してリソースや知名度が少ない中小企業やスタートアップが市場で競争を勝ち抜くためには、”論理外の行動”、つまり革新的で非論理的なアプローチが不可欠です。
この非論理的なアプローチを実行するためには、一般的な常識に縛られるのではなく、
思考の枠を超えることが求められます。

私も含め、みなさんの日々のビジネスや対応は以下にあげるような大きな話ではないことが多いですが一旦世界的に有名な事例や歴史から考えてみます。

歴史を振り返ると、いくつかの成功事例には、既存のルールや常識に挑み、革新的な戦略を取ったことで成功を収めたものがあります。現代のビジネスにおいても、計画通りに事業を進めただけでは成功するとは限らないどころか、失敗のリスクを高めることが多いのです。特に、小規模な企業が大企業に対抗する場合、通常の戦略では圧倒的なリソース差に打ち勝つことは難しく、非論理的な発想が鍵を握ります。

非論理的アプローチを使った成功事例

1. Uberの非論理的成功例

例えば、Uberの成功は非論理的な戦略の典型です。タクシー業界という既に確立された市場に対して、Uberは最初は「誰が他人の車に乗るのか?」という懐疑的な見方をされていました。従来の論理では、ライセンスを持たない個人が他人を有料で運ぶというモデルは考えにくく、規制の壁や既存タクシー業界からの反発が予想されました。しかし、Uberは技術を活用し、アプリを介して簡単にタクシーを呼べる利便性を提供することで、利用者に新たな価値を提供しました。この「論理外の発想」によって、Uberは瞬く間に世界中に広がり、タクシー業界に大きな変革をもたらしたのです。

2. Airbnbの事例

Airbnbも同様に、非論理的なアプローチで成功を収めた企業の一つです。当初、Airbnbのアイデアは「他人の家に泊まる」という、従来のホテル業界とは全く異なるものでした。通常の考え方では、宿泊施設とはホテルや旅館などの商業施設であり、個人が自宅を他人に貸し出すことは考えられませんでした。しかし、Airbnbはこの既成概念を打破し、民泊という新しい市場を創出しました。これは従来のホテル業界が手の届かない領域に新しい価値を提供したことによる成功例であり、まさに論理を超えた発想の賜物です。

3. Teslaとイーロン・マスクの非論理的な挑戦

また、テスラのイーロン・マスクも、非論理的な戦略で成功を収めた人物です。彼の電気自動車事業は、当初は自動車業界の専門家から「成功するはずがない」と多くの批判を受けていました。自動車産業は長年、ガソリンエンジンに依存しており、電気自動車は主流になるとは考えられていませんでした。しかし、マスクはガソリン車に代わる持続可能なエネルギーの重要性を強く信じ、最初から高級市場をターゲットにすることで電気自動車の需要を喚起しました。これは、非論理的とも言えるリスクの高い戦略でしたが、結果として自動車業界に革命をもたらしました。

映画の中の成功と現実の違い

次に、個人の人生における、映画や漫画、本で描かれるような起承転結のある成功物語と、
現実とのギャップについて考えてみましょう。

坂本龍馬やワンピースの漫画、歴史上の人物の映画などは、
私たちに大きな勇気や希望を与えてくれますが、

実際のビジネスや仕事の対応は映画のように成功の道筋が見えることはほとんどありません。
私たちは映画の主人公ではなく、現実の中で日々奮闘する普通の人間です。
そのため、成功を収めるためには、単純に成功モデルを模倣するだけではなく、
自分なりの非論理的な戦略や行動をとる必要があります。

新規事業を立ち上げる際、通常のビジネスモデルや常識にとらわれずに、競合と異なるアプローチを取ることが重要です。例えば、既に市場に大手企業が存在し、彼らが顧客基盤を確立している場合、普通のロジックで競争しようとしても、リソースや知名度の差によって打ち勝つのは極めて難しいです。

私たちは天才ではない、漫画の主人公でもないと仮定した時に(というより実際そうなのですが)
1人のリソースが10名の組織に勝ることは起こり得ません。
通常の8時間の仕事とそれをオーバーしたら残業になり、土日がきたら休み、
わからないことがあったら誰かに教えてもらい…
このような通常の論理の行動をとっている場合、論理的に永遠に勝ることはありません。

そのため、「小が大を制する」ためには非論理的なアプローチが求められます。

SNSマーケティングの成功事例

現代のビジネスにおいて、SNSマーケティングの成功例は、非論理的アプローチの代表的な事例です。従来のマーケティング手法とは異なり、SNSは消費者との直接的なコミュニケーションを可能にし、個人や小規模企業が大手と競争するための強力なツールとなっています。

例えば、ある個人事業主がインスタグラムを利用して、大規模なフォロワー基盤を構築し、そこで独自の商品を販売するケースが増えています。彼は従来のビジネスモデルに従わず、SNSをハックする形でエンゲージメントを高め、結果として競合他社とは異なる形で成功を収めました。

しかし、この事例を見て「自分も同じことをすれば成功する」と考えるのは危険です。SNSマーケティングは、もはや新しい手法ではなくなり、既に多くの企業が取り組んでいるため、これ自体がもはや論理的な戦略となっている可能性があります。新たな成功を収めるには、さらに一歩先を見据え、どこに未開の非論理的なアプローチがあるのかを見つけることが必要です。

非論理的発想による商品開発

非論理的なアプローチは、商品開発においても非常に有効です。多くの商品は消費者のニーズに応える形で作られますが、真に成功する商品は、消費者が自分で気づいていないニーズを掘り起こすものです。

例えば、スマートフォンやタブレットなど、かつて存在しなかったデバイスが市場に登場し、現在では生活の一部として欠かせないものになっています。これらの発明は、消費者が「欲しい」と直接要求していたものではなく、製品開発者が「消費者が本当に必要としているものは何か?」という問いを立て、そこに基づいて革新的な製品を作り出した結果です。

一方、消費者が望むものをそのまま提供するだけでは、競合他社と差別化を図ることが難しくなり、成功するのはさらに難しくなります。特にリソースが限られた企業がだれだれがデザインをして〜誰が誰が意思決定して〜というような論理的なプロセスや考え方だけに頼ってしまうと、競合に対抗するのは困難です。

“小が大を制する”の現実

ビジネスの世界で「小が大を制する」という話は魅力的に聞こえますが、
現実にはそう簡単に実現することはありません。
歴史的には少数の成功例が語られますが、それらは通常のビジネスではない、
特別な状況や偶然が関与していることが多いのです。

非論理的な行動を失敗を恐れずにやり切ろう。
それを私たちは堂々とできます。

なぜなら、

大規模な企業は膨大なリソースや顧客基盤を持ち、国や政府のサポートを受けることもあります。
実際に、1兆円規模の企業やサービスが危機に直面すると、政府や国が介入してでもその存続を支援することがあります。

一方で、1000億円規模の企業は存在していた方が望ましいものの、仮に消失しても社会的には大きな影響はありません。そして、100億円規模の企業に至っては、多くの人々がその存在を認識していないこともあり、なくなっても気づかれないことが多いのです。

さらに規模が小さく、10億円未満の企業となると、社会的には「存在しない」と同義です。
これらの企業が社会にインパクトを与えることは非常に困難です。
これは冷酷な現実かもしれませんが、
小規模な企業が現実に大企業に対抗して成功することはほぼ不可能です。

しかし、だからこそこのような現実を理解した上で、
私たちは逆に失敗を恐れずに行動し続けることができます。
なぜなら、我々が「存在しない」も同然であるならば、論理外の行動を試みることに失うものはないからです。科学的根拠や倫理的な範囲内で、非論理的な戦略と行動量を堂々と取ることができ、
何らかの突破口を見出す可能性があるのです。

非論理的アプローチを採用する重要性

ビジネスの成功には、非論理的アプローチが欠かせないと私は思っています。

大企業が市場を制し、資源を豊富に持つ中で、従来のロジックや常識に従っただけでは競争に勝ち残ることは困難です。大企業ではなくとも同じです、
先行者としてビジネスをしているあらゆる競合に関しても同じです。そこで、我々は新しい発想を取り入れ、常識の枠を超えた行動をとる必要があります。
特に、スタートアップや小規模企業が競争に打ち勝つためには、非論理的な発想やアプローチを活用し、従来のビジネスモデルにとらわれない戦略を取ることが鍵となります。

私たちが未来を見据える際には、過去の成功事例に学びつつも、従来のロジックや常識に縛られず、常に新しい発想を追求し続けることが重要です。そのような意識を持つことで、少数の人間が大企業のパフォーマンスを超えることが可能になると信じています。

「私はこのような家庭でこのような制約の中でハンデがあってやってきた」
「特に誰に言われたわけでもないけれど、気になったことでこんな行動をとり続けてきた。人に言っても理解されないけどそれは個人的には何か意味があることだと思う」

このようなハンデや誰かに言われたわけでもない着想からの行動
これらはこの考えからは「恵まれた環境」です。
逆境を非論理的な行動により打破する準備ができているかもしれません。

今後、あなたがビジネスや新規事業に取り組む際には、この「非論理的アプローチ」を意識し、
新しい成功への道を切り開いてください。
もし、あなたが通常の通念上逆境にあるのならそれは「可能性」です。

日常業務における非論理的アプローチの実践

私たちはマーケティング、Web制作、ITスクールや留学といった、世間一般的には普通と見なされる商材を扱っています。しかし、先に挙げた大規模な企業の成功事例とは異なり、日々の業務においても非論理的な行動を取り入れることで、小さな成功を積み重ねているのです。大規模な成功がキャッチーで目立つのに対し、私たちは日常的な業務の中でそれを実践しています。

例えば、私はバンコクにあるスラムで、100人に声をかけ、採用を試みたことがあります。
スラム街は一般的に危険だと言われていますし、
なぜそんな場所で採用活動をするのかと疑問を持つ人も多いでしょう。
しかし、私にとっては、既存の採用手法にとらわれない新たなアプローチを試すための挑戦でした。
普通の論理に従えば、「スラムでの採用活動はリスクが高い」と判断するかもしれませんが、
私が重視したのは、その場所にいる人々が持つ可能性を引き出すことでした。
結果として、これまでには得られなかった視点や経験を通じて、新たな可能性を発掘できたのです。

また、1日8時間という一般的な労働時間にとらわれず、私は常に仕事を基盤にした行動を心がけています。仕事が単なる義務やルーチンワークではなく、人生そのものに深く結びついた重要な要素であると捉えています。この考え方は、ハンナ・アーレントの『人間の条件』やヒルティの『幸福論』でも語られています。アーレントは、人間の条件の一つとして「労働」が人間生活に不可欠な要素であることを強調し、ヒルティは幸福論において「仕事が人生に与える影響」について論じています。

“だから”というわけではありません。
例えばビジネスでうまくいっている人100名が早起きをしているというときに
自分が早起きをすればいいのかというと全く違うことは誰でも分かります。

私の日々の思考や行動の結果の積み重ねから得た推論に関して
過去に人生を賭けて成果物として出版した書籍の内容で最大公約数として同じようなことを言っているならそれは一つの「まぁ同じことを言っている代表的なひといるからあながち間違っていないかな」と思うようなお守りとして使っています。

仕事と人生に関してはこれらの考えからもお守りとして実感しているように、
私は日々の仕事を通じて、単なる業務をこなすだけではなく、常に非論理的なアプローチで新たな可能性を模索しています。クライアントに提供するソリューションにおいても、従来の枠にとらわれずに柔軟な視点で対応することで、新しい価値を創出しようと心がけています。

仕事は単に報酬を得るための手段ではなく、人生そのものに大きなインパクトを与える存在です。だからこそ、私は「通年の枠に囚われず、常に新しいアプローチを取り入れる」ことを実践しています。成功するためには、与えられた枠組みや既存のルールに従うだけでは不十分です。論理外の行動や新しいアプローチを取り入れることで、仕事を通じて人生に深い影響を与えることができると信じています。

現代の若者とアイデンティティ形成の課題

私は23歳で女性であり海外で起業をしました。

現代の若者は、かつてないほど多様な情報にアクセスできる環境に生きています。
スマートフォン一つで、瞬時に全世界の情報を手に入れることができ、
エンターテインメントからビジネス、そして自分のライフスタイルに至るまで、
すべての分野で最新の情報が流れ込んできます。

その中でも特に目立つのは、時として”バグ”のように感じられる、
一部の特異なタレントや成功者の情報です。
これらの人物は圧倒的な才能や運で成功を収め、多くの若者にとって一種の理想像として映ります。しかし、この”バグ的な成功者”の存在が、若者にアイデンティティ形成の困難をもたらしていると言えます。

若者たちは、自らの能力がまだ追いついていないにも関わらず、「自分でなければできない仕事」や「自分の存在が特別であること」を早期に求める傾向があります。これは、常に比べられ、あまりに簡単に成功者やタレントの情報を得られることが影響しています。アイデンティティが確立しにくい時代において、若者たちは自分自身と他者との差異を強く意識し、ストレス耐性もまだ十分でないにもかかわらず、自分だけの特別な役割を見つけ出そうとしています。

持続的なスキル形成と論理外の行動の重要性

しかし、現実の社会では、非論理的で突発的な成功に囚われるのではなく、スキルを粘り強く身につけ、それを実践することこそが持続的な成功への道です。成功者や特異な存在を目指すのではなく、ひたむきにスキルを磨き、さまざまな人々との交流を通じて、社会やビジネスの構造を理解することが必要です。その上で、論理外の行動を見つけ、ストレスに耐えつつ実践することで、初めて自己の充実感や成功を手に入れることができるのです。

例えば、タレントや成功者を単なるエンターテインメントとして見るだけで、非論理的な行動を取らずに日常を送るならば、その人は大多数の統計的に語られる人生を歩むことになります。社会構造の中で、制度的に有利な選択肢を選びながら目立たない行動をし続けるだけでは、20代女性の独身OL、既婚デザイナー、30代独身サラリーマンといった、誰もが想像できるステレオタイプな人生に収まってしまいます。これは決して悪いことではありませんが、若者が「それでは何かが足りない」と感じてしまう背景には、情報過多の環境で育ったことによる影響があるのです。常に自分を他者と比較し、”特別”でなければならないという強いプレッシャーが、アイデンティティの確立を困難にしています。

しかし、私たちはこの状況を打破するためにどうすれば良いのでしょうか。
私の考えでは、それはストレスのある環境に身を置き、多様なことに挑戦し続けることにあります。
人と意見交換をし、社会構造を深く理解し、論理外の行動を見つけて実践することが、充実した人生を送るための唯一の道だとすら思っています。
自分の限界やストレスに直面しながらも、それに耐え、前に進むことが成功への鍵であると信じています。

バンコクでの経験を通じた学び

私自身、この考えを実践するために、バンコクで非論理的な行動を取りながら精進しています。
バンコクのスラム街で、100人に声をかけ、採用活動を試みた経験はその一例です。
通常の論理では、スラム街での採用活動はリスクが高く、なぜそんなことをするのか理解できないかもしれません。しかし、このような挑戦的な環境で行動を起こすことで、私は多様な人々と出会い、既存のビジネスの枠組みを超えた新しい可能性を見つけ出すことができました。

また四季報のバンコク版でかたっぱしから電話をしたり、交流会に土日も参加し、応援していただきマーケティング支援も獲得しています。

私がバンコクで精進しているのは、単なるビジネススキルの向上ではありません。私はこの経験を通じて、現代社会における若者のアイデンティティ形成の難しさや、社会構造の複雑さを理解しながらも、自分自身を成長させるために、非論理的な行動を取り続けています。

もちろん私の仕事も全てが全てそのような行動ではなく、
多くの仕事は通常通り誰もが行っていることだと理解しています。
ただ脳裏のどこかにこのような思考をもつことでただの仕事をただの仕事にしない。
その先にある自分や組織の達成された状態を見ながら行動しています。

私たちが個々の人生において意味を見出すためには、
ただ情報に振り回されるのではなく、スキルを習得し、実践を通じてその価値を証明していくことが大切です。
論理に囚われず、遭遇したことのない負荷のある環境であっても多様な挑戦をし、
非論理的な行動を見つけ、それを実践し続けることが、
人生における充実感や成功を手に入れるための重要なステップだと思っています。

私はすでにこのような価値観が一般的ではないと思っています。
ただ、多くの起業家や人生に主導権を持っている方々とお話をする中で考えると
私の考えは共感をもらっています。
一方で共感を得ない方は仕事以外でも何かうまくいっていないと不満を漏らすことが多い印象です。
直接的には関係ないのかもしれませんが、
私は自分の価値観と経験を信じて、バンコクでビジネスを展開していきます。